アフターコロナを見据えた00後の消費価値観
00後の消費価値観 お金の使い方、稼ぎ方、節約の仕方
私が望まなければ、誰も私のお金を持ち去らない
青山資本は「2021年中消費報告」で、新しい消費シーンを描いてみせた。
それは、ケーキづくりを学びたい中学生が、関連ブロガーの閲覧から始まり、学ぶプロセスを動画にアップしていく、全プロセスで拡散、コメント、いいね、ファンの注目を集め、自分の趣味を理解している人とがっちりとマッチングして交流し、ケーキをつくるKOLになり、ビジネスコラボを始めるというものだ。
趣味を掘り下げていき、きわめた人は、趣味が職業になることさえある。
インターネットはより多くの柔軟な雇用機会を提供し、95後、更に00後までもが多く、「職場」以外の豊富な選択肢を持つようになった。
漫画創作アプリの触漫のデータによると、同プラットフォームの登録ユーザーは5000万以上で、00後ユーザーがプラットフォーム上に送り出す作品数は1億超を超え、130万人を超える人が漫画創作で収益を得ている。
抖音が発表した「2020抖音大学生データ報告」によると、2020年、抖音の大学生ユーザーのビデオ再生件数は累計で311兆回を超え、いいね件数は1184億回、シェア件数は27億回を超えた。
閲文集団が発表した「2021ネット文学作家画像」によると、同プラットフォームの作家のうち、95後は約40%と全年齢層の中で割合が最も多く、最も増加している。そのうち、最年少のカリスマ作家の末煙氏は00後で今年21歳、起点中国語網で3作目を連載している。
動画投稿者、ゲームコンパニオン、メイクブロガー、ショート動画インフルエンサー、ネット文学作家は大学生がお金を稼ぐ新しい方法になっている。艾媒諮詢調査データによると、2021年の中国の大学生の月平均収入の中央値は1516元だった。
お金を稼ぐにしても、無駄遣いはしない。「テンセント「00後」研究報告」の調査結果によると、84%の00後は、自分の能力範囲を超えたものには消費しないと回答している。
QuestMobile「2020年「Z世代」洞察報告」のZ世代の消費分析結果においても、消費体験のほかには、Z世代は価格や品質に最も注目していることが示されている。
中国社会科学院等の機関が共同で発表したZ世代層の価値観念報告でも同様の傾向が示された。Z世代はコストパフォーマンス、こだわりや感覚を重視しており、78%の回答者は定期的に貯蓄をする習慣があるとした。
場当たり的で在庫を投げ売りする広告マーケティング手法や、人に取り入ったり惑わせたりする見えないセールス戦略を警戒している。
小さいころからインターネットに親しんできた若者は、ネット情報に対して極めて強い情報獲得、選別、分析能力があり、消費過程における節約手段として利用している。
1分銭でも惜しんで商品を入手できるように、各種のレビューを研究し、各プラットフォームの悪いレビューもよく読んで、全体と細部を調べてレビューを組み合わせて品質を判断し、何店舗か比較して最安値を探している。データによると、約9割のユーザーは価格を比較した後に購入し、約8割のユーザーはセールを利用するという。
ここ数年、若者はコロナによる影響、業界の激変、35歳の職場での危機、リストラの苦境等の一連の波乱を目の当たりにしている。このことで支出と貯蓄等が更に現実的なものとなり、更に綿密に計画を立てて未来のよい生活を送るために十分な準備をするようになっている。
中国青年消費報告のデータによると、コロナ後55.8%の若者は消費時に生活必需品のみを購入する傾向にあり、40.2%が買う量を減らし、いい物を買っていると答え、39.6%が購入決定は以前よりも慎重になったと回答している。
見えを張ることを望まない。物質的に豊かな環境で育ったため、購入する商品が自分の身分や地位を誇示する奢侈品やレアな物かどうかは気にせず、コストパフォーマンスが高ければ、中古でも喜んで購入する。
「国民「軽生活」報告」によると、約6割の若者は「新しいかどうかは気にしない」と回答し、そのうち大半の「95後」は、「使用価値はほとんど変わらない」と考え、商品の実用性を重視している。
Z世代の台頭に伴い、ほとんどの企業が「若者からの支持を得た者が天下を取る」と話しており、若者が手元に持つお金の行方に注目している。
〔「消費者報道」2022年第3期2022年6月8日〕