昨年の新人結婚は800万組のみ、36年間で最低。
昨年10月に出版された「ルポ 婚難の時代」という本の中で、3人の日本の記者が3年の時間を費やし、日本の若者の恋愛・結婚の現状を調査している。現在の日本では、男性の4人に1人、女性の6人に1人が一生未婚であり、日本は既に全面的な婚難の時代に入っている。
このような現象は中国でも普遍的になっている。中国民政部のデータによると、2022年、中国の結婚人口は初めて800万組にまで下がり、36年来で最低となった。私たちはアンケート調査を行い、100人近い中国の若者から恋愛・結婚に関する物語を聞くことができた。
日本の「ルポ 婚難の時代」で語られていることと同様に、婚難の背景は、国境を越えた他人事ではない社会の現実となっている。
就職困難、年齢の焦り、ウイルスの恐怖、高齢化と孤独死。
以下では、1人のインタビューを紹介する。名前は呉斌、30歳、北京に住むMCN企業の経営者である。
私は今年30歳になる福建人です。小さいときから北京の寄宿制学校へ入り、その後も北京にとどまり仕事をしています。初任給は4―5000元。私は彼女との割り勘を受け入れられない性格なので、恋愛するような勇気は全くありませんでした。
そんな感じで時間がたち、26歳になってしまいました。26歳で未婚ということは、私の田舎では、帰省するたびに家族に結婚をせかされることを意味します。40人余りを選んで、流れ作業でお見合いの指導、提案、手配がされました。
私はこの種の風習を極度に憎悪していましたが、当時はまだ年が若く、皆さんも想像を絶する家族からのプレッシャーに、1―2年は激しく抵抗した後、妥協しました。
私の田舎でのお見合いは、皆さんが想像のものとは異なり、少々「封建」的です。時間は春節前の1―2か月に集中し、外で働いている若者たちが事前に帰省し、密集お見合いの準備に着手します。
形式上、男女がカフェで待ち合わせし、仕事や趣味を語り合うといったものではなく、女性側が家を片づけて待ち、そこへ仲人が男性を連れて訪れるというものです。
最もひどいときは、私は朝8時に家を出て、丸一日で50人余りの娘さんたちと会いました。各家庭での滞在時間は15分前後で、その後次の家へ急ぐという感じです。
最も気まずかったのは、私がまだその家を辞去していないのに、次の男性が来てしまい、3人の当事者に加えて2人の仲人があっけにとられて顔を見合わせたことでした。
礼儀として女性側とWechatの交換をしますが、基本的にきょう50人加えても、翌日残っているのは10―20人であり、誰が誰だかわからない状態です………
お見合いにおいて、人は最も重要でないものであり、顔見知りにさえなればよく、学歴や職業も適当に聞いてみればよいだけです。
つまりは家柄のつり合いがとれているかどうかを見るためものであり、女性側は男性側の車を見て「初期判断」をし、男性側は女性側の家は何階建てか、内装はどうかなどを見ます。大部分の人は大都市の部屋を買うことはできないものの、実家の家屋を別荘のようにすることはできるので、大農園のようになっている家もあります。
このような流れ作業のお見合いは、効率よくマッチングを行うためであることから、午前中に会って、午後証書手続をするといったこともよく発生しています。
このような密集お見合いの日々を私は24歳から28歳まで経験しました。過去には、結婚の本質とは一体何なのかと疑いました。実家にいると、例えば結納は88.8万元以上で、キャッシュのみといったように全て正価表示され、互いに張り合って、まるで商売をしているようだったからです。
28歳以降、私は「仕事が忙しいので春節の帰省は遅くなる」というやんわりとした方法での抵抗を通じて、このようなお見合いに参加するのをやめました。両親に彼ら自身の考え方を「引き剥がす」ことができるような方法で説得することは既に諦めました。
〔36kr2023年1月11日〕
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